岸辺露伴は動かない 懺悔室 感想*映画雑記EZ

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ジョジョスピンオフ史上、最高傑作

いや、すごい!面白かった!これは原作ファンであるほど称賛の声は大きいのではないか。

脚本の小林靖子氏について詳しくなかったけれど、アニメジョジョにも携わっておられる方だし、実写露伴の偉大さに気づくのが遅れていたことを猛省したい。

ド素人の筆者がこれまでジョジョリオンの辻褄合わせのためだけに考えてきたプロットがどれほど及ばないことか痛感させられた。もう、筆者はこれ以上のジョジョリオン考察からはフェードアウトします。

劇場版の前作「ルーブルへ行く」からちょうど2年ぶり、再び映画館で鑑賞。早起きして午前中にルーブルとドラマ版第1話「富豪村」を予習してから臨んだ。

ルーブルは当時の感想はアクションがいまいちという印象。原作はもっと犠牲者がでるのだ。しかし再鑑賞したところ、ルーブル職員のエマも助かって良かった!という感想に変わったしちょっともらい泣きしたくらいだ(飯豊まりえさんの京香はやっぱりこの作品の光だ)。あと時代劇パートも当時の感想とは真逆で、必要なパートだと思ったしとても素敵だった。

その直後にあらためて富豪村を観ると、露伴の髪型がより原作に近いし、高橋一生氏の若い表情も演技も第4部の頃の露伴に寄せていてそっくりだった。だからルーブルの渋めの露伴は、当時はちょっと違和感を感じたものだなと思い出した。

一生氏は第4部の露伴とほぼ同い年生まれ。露伴が2020年代に40代であることを考えれば、絶妙なキャスティングだけれど、原作動かないアンソロジーの露伴は20代後半から年をとっていない様子。だから一生氏は40代の露伴を自らのオリジナルの演技で創造したのではないか。そう考えるとジョジョファンとしてはその姿勢がカッコいいし、再鑑賞後は実写露伴スゴイ、というテンションになっていた。

そのまま満を持して懺悔室の鑑賞。

一生露伴も今まででさらに一番良かった。1回目と2回目の中間として3回目で成功しているって感じのいいとこどり。一生氏は今回で完全に露伴と同化した。これからも50代、60代の露伴をぜひとも演じてほしい!

ネタバレ感想

ピンクダークの少年第9部の舞台はヴェネチアで決まりだ!(ハワイもちょっと触れてほしかった)

水尾役大東駿介氏、ソトバ役戸次重幸氏、田宮役井浦新氏の3人がとにかく素晴らしすぎる。完璧にジョジョキャラ。イタリアで日本人ばかりが集結することも、「夢」を追って来たとか、外国人「労働者」というあえて端的なワードのみで違和感をなくす手腕がクレバーだ。

ポップコーンの撮影は二日間に渡り、毎回心拍数を調整してから演技に臨む…まさにプロフェッショナルだ!水尾が首を切られずにガラスでハラワタを出されるシーンは荒木先生のネームが元になっているとのこと。

派手にならぬよう抑えてるけど怪演な田宮(井浦氏といえば「福田村事件(23)」も超面白い)。田宮は呪いとか怪異とかジョジョリオンにも通じる本ストーリーのキーパーソンだ。

まさか原作懺悔室の補完が本編の後半部分にあたるとは…ッ!

娘を亡くす父、オペラ・リゴレットは不勉強で初耳。どちらかというと「ゴッドファーザーpart3」の方を思い出した。

実写露伴は本当、映像が美しすぎる。パーフェクト。

今回パンフレットを購入。前作ルーブルの漆黒のパンフレットと対を成す朱色の表紙。置いておくだけでインテリアになると思って買ったけれど、内容も私がこれまで買った映画パンフレットの中で一番濃かったかも。実写露伴の大ファンになった。

2025/5/24

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