ワイルド・スピード ファイヤーブースト ネタバレ感想:もっと気軽な映画雑記

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IMAXにて公開日・初回鑑賞

結論…最高!以下、ネタバレとなります!

開口一番「【10】 years ago = FAST 【10】」の隠喩に痺れる!

時代は10年前となる過去のシーン。そしてジェイソン・モモアasダンテの、予告編から把握はしていたが「あの時居たのですね」感はとても感慨深い。

ヨアキム・デ・アルメイダasレイエスの再演にグッとくる。アルメイダといえばスティーヴン・ソダーバーグ監督『チェ PART2(2008)』の個性派だ。

ポール・ウォーカーasブライアンの雄姿を堪能。ポールの姿を今に表現するのに、最も最適で最善な手段であったと製作者に拍手を送りたい!そもそも本作のプロットの発端がここ(ブライアンの姿を再現すること)からきているのかもしれないが、いずれにしても大成功だ。さらに、一瞬チラリとドウェイン・ジョンソンasホブスのカットが入り、上手い!と既にこんなにも早くハートにブーストがかかる!ドウェインめ、一応この程度の見切れなら了承したということか、ふむ、まあいいだろう、などとこの時には思っていたのだが…w

現代に移り、我らがトレットズカークラブのオーナー、ドムが登場。車の右ドアから登場、ということは運転席は誰なのかという演出。広場で練習、リトルB、才能の塊だね!

BBQでファミリー集結、リタ・モレノasアブエリータは90歳超えとは思えないほど若々しい!いわゆるEGOTであるプエルトリコ出身の生ける伝説はFAST10の風格を一気に押し上げてくれる存在だ。後にも登場する演技の三冠を保有する名優ヘレン・ミレンは現在77歳だが、個人的に考察する30年周期の法則を当てはめるに、モレノとは一世代の差があるのではないかと思われ、実際に本作でモレノはドムの「祖母」役、ミレンはショウの「母」という役どころである。モレノのマーロン・ブランドやエルヴィス・プレスリーとの交際遍歴などを考えると、確かにファミリーの中でも特段に別格でクラシカルなのだ。

サン・カンasハンのロン毛復活がエクセレント!前作では大人・保護者というイメージで短髪であったが、最終章に向けてレザレクションするセンスに惚れた。しかしこの後、それ故の衝撃シーンに発展するのではあるが…w

挿入されるSee You Again、開始から体感20分に満たない時点で、次から次へと本作に10点満点を確約するファンサービスが繰り出され、あとは消去法で微妙なチップ程度の減点があるかないかという段階に精神テンションが安定したほど、本作は既に名作確定だ。

しかしまだ止まらない、ブーストし続ける。負傷したシャリーズ・セロンasサイファーの登場だ。新たな敵の出現をわざわざ通達に来訪。その理由は、3リッターの出血多量とその傷を回復するには最新設備が整う「秘密機関の極秘施設」で手術を受けるしかないからだ。その他にも氷の女王サイファーは何かを目論んでいるはずだ。本作パンフレットの情報であるが、セロンは「後に彼女がBBQに参加するようなことはないようにしてほしい、という私の気持ちを理解してもらえてありがたい」と語っている。

そしてサイファーの格闘術が遂にお披露目された。その強さが絶妙なレベルで実にイイ塩梅なのだ!素直に「やはり強かったか」とも言えるし、あくまで「リアリティのある戦闘力」とも評価できる。見たいものを見れて大満足。

スコット・イーストウッドasリトルノーバディが復帰、ヒゲを蓄えた渋い外見に。またノーバディとのコンビも見てみたい。そしてローマへ!

ローマでは遂に、恐るべきダンテの「画策」が「爆裂」する!この規模の破壊は、アルマゲドン以来かもしれない。いや、ドムのおかげでそれに至らなかったのであるが…ダンテは間違いなく過去最狂の「悪魔的ヴィラン」だッ!!

物語は群像劇へ…そして最終コーナー!

その後は

●ヘレン・ミレンasクイーニー、新キャラのブリー・ラーソンasテスの引き込まれる確かな演技

●ジョン・シナasジェイコブ、新キャラのアラン・リッチソンasエイムスの絶対的な筋量

●ジョーダナ・ブリュースターasミアとジェイコブの共闘

●安定、いや今回はあえて不安定な関係のタイリース・ギブソンasローマン、クリス・リュダクリス・ブリッジスasテズ、ナタリー・エマニュエルasラムジー

●ストリートカーレース復活と今回の美女枠ダニエラ・メルキオールasイザベルの明かされる出自

●メドウ・ウォーカーのカメオ出演

●ミシェル・ロドリゲスasレティ対サイファー

等々の見どころが山ほどあり、そしてジェイソン・ステイサムasデッカード・ショウとハンの因縁についても。

ドアを開く直前、ハンが長髪を耳に掛ける。瞬間になんとなく察したけれど、前作ジェットブレイクのミッドクレジットシーンのハンの短髪とつなぎ合わせるための動作だ。もう一度ジェットの方を見返すとまるでパラレルワールドを扱う作品だったかと錯覚に陥る仕様となっている(パーカーの色が違うのはわざとかもしれない)。しかし、それも含めて愛すべきワイスピ・クオリティなのだとあらためて感じさせるところがサーガの懐の広さだ。

ラストは燃えさかる絶望のダム、氷海に現れた希望の軍艦、その対比の荘厳さに圧倒される。

さらにミッドクレジットシーンで真の最終コーナーを、あろうことか加速しながら曲がりきる!ブーストは満タンだ!そして断言する、本作『ワイルドスピード ファイヤーブースト』は現代最高のアクション映画かつ地球最大のフェスティバルだ!!

2023/5/21

追記:4DXSCREENで再鑑賞

どの作品にも言えることだけれど、しっかり観るならIMAXを推奨。しかし『スパイダーマンノーウェイホーム(2021)』に次ぐくらいの4DXSCREENとの親和性があり、さらに必然的に吹き替えなので、1回目が字幕ならなお4DXSCREENは最適。

ちなみに3面マルチプロジェクションモードは計7回ほど認めた。①回想シーン、②ローマ、③カーレース、④対サイファー、⑤対デッカード、⑥対ダンテ、⑦ラストバトル。

今回新たな発見は、裏切り者エイムスが最初の回想シーンの段階で、確かに後ろ姿で登場していたこと。

また開始から1時間強(ちょうど中間)くらいまでぶっ通しで画面への集中が必要とされる中、約10分程度にわたる、ダンテが死体でふざけているサイコパスなシーンと、その直後のローマンとテズの喧嘩は唯一のトイレタイムだ(どうしても、という場合はココしかない)。しかし、2回目でどちらも本作に必要不可欠なアクセントであることに気づいた。サイコなシーンは特典映像行きの可能性もあったと聞くが、ダンテの狂気をうまく表現できているしシリーズとしては目新しい光景だった(ほんの少し『ボーダーライン(2015)』を観た時のような、万人受けはしそうにない感覚)。そのため、リトルBがさらわれる際の緊迫感を増すことに成功していると考える。

ローマンとテズの喧嘩は当の役者陣も必要か?と疑ったと聞くが、ダンテが目的とする「ファミリーの分断」の影響が、まるで症状のない病のように浸透していくのが伝わるシーンだ(ハンがトリップするのもそのメタファーか)。

そして公開から一週間以上経ち、今なら言える。

ガル・ガドットasジゼル、そしてドウェイン・ジョンソンasホブスのカムバックだッ!!

ガル・ガドットは素直に嬉しいし、登場の仕方が素敵だw双眼鏡で目元を隠すも口元だけで本人とわかる。

ドウェインは…正直に言おう。ジョン・シナとアラン・リッチソンの頑張りで、ホブスがいなくてもやっていけるなッ!と本作の途中まで思っていたところであったので、なんとも言えない感覚に陥った(これも一連のプロモーションによるものなのか!?だとしたら予想以上の効果をあげたぞッ!)。しかし今、冷静になって思うことはやはり…ドウェインもといホブス、お前の力が必要だッ!次作に期待ッ!

そして次作といえば、個人的にはそれをもって最終作としてほしい。

私が求めるワイスピは本作10までは完璧だ。個人差によって、3まで、6まで、7までは良かった等の意見がある。私の場合、そもそもワイルドスピード1を20年以上前にレンタルビデオで観た時の感想は『ハートブルー(1991)』の焼き直しであり、最初から高尚なものではなかった(ヴィンが次世代のアクションヒーローになることについては『ピッチブラック(2000)』とセットで観た時に、『トリプルX(2002)』より以前に明らかだったが)。5でオーシャンズ、6でエクスペンダブルズ、7でミッションインポッシブル、8からはリアルなシビルウォーを通じアベンジャーズを追っている。そしていわずもがな、10では節操なくインフィニティウォーだ。しかし、そこがワイスピの良い所であり、唯一無二の存在である所以なのだ。

つまりは…私が観たいのは、「ヴィン流プロデュース」の「偶然が創り出したサーガ」であり、その「終結」を見届けたい、と思うのだ。次回の最終作を期待している!

2023/5/27

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