HERE 時を越えて【映画雑記EZ/EX】

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ネタバレ感想

「HERE 時を越えて」である。

本作を語る前に、先日、午前十時の映画祭で観た「アラビアのロレンス 完全版」について。ヴィルヌーヴ版「DUNE」の参考となった作品で、見どころはやはりストーリーよりも、地平線と太陽の美しさに尽きる。そしてそれらは本当に、劇場でなければ堪能できない(そもそも227分は自宅では集中は難しい)。

「HERE 時を越えて」も同じく劇場で観なければならない作品だと思う。理由としては、こちらは長さではない(ちょうど良い104分)。大画面で(他の観客と一緒に、あるいは、たとえ貸し切りであってもそれはそれで結構)ライブ感を楽しむという「映画の魔法」が必要なのだ。しかも私の場合は、たまたま劇場内「若干左寄りの席」から観たのだけれど、それがちょうどいい塩梅に臨場感を得ることができた(本作のポイント、左斜めからの定点による)。

BTTFのアンサー

本作は「フォレストガンプ」のスタッフ、キャストが揃っているがある意味「バックトゥザフューチャー」に対する答えでもある気がする。略してBTTFといえば、映画ファンが映画ファンになるであろうきっかけを与えてくれる洗礼的な作品の一つではないだろうか。

夢と希望に満ちたBTTFに対して、50歳を過ぎてからの人生を「介護」「離婚」「認知症」など、終盤ビターに描く本作は、ゼメキス監督によるフィルモグラフィの集大成だ。

欲を言えば、ドクことクリストファーロイドにもぜひ出演してもらいたかった(個人的に昨年のコミコンで念願の写真撮影できたのは良い思い出)。

やっぱりゼメキス×ハンクスは最高

本作は、アメリカの時代を切り取ってきたこれまでのゼメキス監督作の中でも、最も異色作かつ実験的な意欲作でもある。

難しいことは言わないし、実際よくわからない。

しかし、なにか琴線に触れるのだ。心が落ち着く、と言ってもいい。「アラビアのロレンス」の風景を観るような清らかな感覚で、この「HERE 時を越えて」もぜひぜひ鑑賞をおすすめしたい。

2025/4/17

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